GMP適合性調査における6つのサブシステム【第9回】

1.試験検査システムの目的
「試験検査システム」は、品質部門に係る全ての試験検査のための検体採取方法・試験方法・記録・判定基準・試験設備・試験室環境・作業員に係わる事項を運用管理する方法である。また、製品出荷に係わる試験と判定方法、製品の安定性試験、検体・参考品保管に係わる事項を運用管理する方法も含むため、これらに係わる事項が適切に運用管理されているかどうかを確認することが目的である。

2.試験システムにおける確認事項
6-01:手順書・記録書    
 品質管理するということは、納品された原料が医薬品を製造するにふさわしいものか確かめたり、試薬や試験器具の管理をきちんとしたり、製品が必要な品質を保っているか確かめたりすることであり、こうした品質管理のルール、手順を文書化しておかなければならない。

6-02:検体採取    
 検体採取(サンプリング)は、試験検査の目的で、原料・資材や製品の中から、母集団を代表するサンプルを採取することである。
 そのため、サンプリング方法を手順化し、適正なサンプリングが行われたことを記録しなければならない。検体採取においては、汚染防止を考慮すべきである。

6-03:施設及び設備の管理(試験検査設備・装置の適格性評価・校正並びに試験検査方法の適格性評価)    
 この項目は、6-04:設備・機器管理、6-05:校正、6-06:試薬・試液・標準品管理、6-14:バリデーション(分析法バリデーション)を総合的に評価する項目である。
 各項目を参照すること。

6-04:設備・機器管理    
試験検査に関する機器や器具は、日常点検や日常確認(毎日決められた時間に恒温槽や冷蔵庫の温度を確認する)を定期的に行う必要がある。

6-05:校正    
 6-03:施設及び設備の管理(試験検査設備・装置の適格性評価・校正並びに試験検査方法の適格性評価)も参照すること。

6-06:試薬・試液・標準品管理    
試薬・試液の保存状況が悪かったために試験結果に影響するということがないよう、試薬・試液や標準品の管理を行うこと。また、試液等は、規格外の結果が出た場合の調査に重要であるため、調製記録を作成するとともに、調製日を表示して管理すること。特に注意が必要な試薬は、使用記録を作成すること。

6-07:試験用水管理    
 製造に用いる製薬用水は、日本薬局方に定める製薬用水の中から使用の目的に応じて、最終製品の品質を保証でき、製造過程で支障をきたさないものを選択することとされ、その選択基準も、参考情報(G8:水関連)に製薬用水の品質管理として、示されている。

6-08:試験動物管理    
 日本薬局方の一般試験法では、動物を用いる試験法としてウサギを用いる「発熱性物質試験」が規定されている。また医薬品各状において、指定動物を用いた試験が記載されている。
 動物を用いる試験は、動物の個体状況や、飼育環境により試験に影響を及ぼす可能性があるので、厳格な管理が必要である。
 

執筆者について

経歴 ※このプロフィールは掲載記事執筆時点での内容となります

連載記事

コメント

コメント

投稿者名必須

投稿者名を入力してください

コメント必須

コメントを入力してください

セミナー

eラーニング

書籍

CM Plusサービス一覧

※CM Plusホームページにリンクされます

関連サイト

※関連サイトにリンクされます