エッセイ:エイジング話【第10回】

プラスチックと劣化

 世代間にかかわる事故が起こってしまいました。40歳代のお母さんが二歳児を轢いてしまったとニュースが伝えました。玄関先で待っている祖母を乗せようと駐車場から車を発進させた際に、運転台からは二歳児が見えなかたのです。
 お母さんは祖母のほうへ気がいき、二歳児が追いかけて出てくることへ注意が回らなかったのです。母親と祖母にとって悔やみきれない出来事が突如として起こってしまいました。またもやエイジングテーマを取り上げたことを悔やんでいます。
・・・
 今回はプラスチックと劣化について取りあげます。プラチックは形を選ばない「柔らかい」イメージが好感され、金属・木材・やきものに代わって「うつわ」として、布・紙に代わる形状を選ばない包装材として、普段の身の回りに存在しています。
 コンビニへ行けば、その場で飲食するコーヒー・おでんの容器・持ち帰り商品の包装材は紙を除いてプラスチックであり、布製の手提げ袋・皮の鞄を持参しないと、プラスチック製「レジ袋」に入れてくれます。
 惣菜の入った発砲スチロール製トレー・飲料用ペットボトルは、販売店か自治体で回収され再利用されますが、商品とともに持ち帰えるプラスチック包装材の多くは、1回限りの使用です。
海に投下されてしまったプラスチック容器は、早朝に相模湾の海岸を散歩していると、波打ち際でよく見かけます。大阪湾に近いインテックス大阪で開催された2019年G20大阪サミットでは、投下されたプラスチックごみの海洋流出阻止が、テーマの1つとして取り上げられました。
プラスチックは柔らかくてひ弱なイメージとは反して、海洋を流れる過程でも分解されることはなく、原形のままで海流に乗り外国語の文字が印字された容器も神奈川県の海岸で時折見かけます。
 自動車は、車体とエンジンは金属製で窓はガラス製ですが、様々な形状を要求されるフェンダーやミラーの外装材・シートなど内装材は、皮が使われる高級車種を除いてプラスチック材で構成されています。
廃車されるとプラスチック材は処分されます。金属部分とガラス部分は再利用されることもありますが、プラスチック材は多くがシングルユースなのです。
シングルユースには良い面もあり、劣化する前に取り替えるのは良いのですが、後の処分は深刻な問題をかかえています。
また、ペットボトルは工場で飲料水が充填後に出荷され、店で陳列されている間に劣化が起こってはなりませんし、容器成分が溶け出すことはあってはなりません。

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