Prof. Jane DoeのGood Practices講座【第10講義】


第10講義:日本版GDPガイドラインのトリセツ/第4章~第5章
 
Jane Doe教授のGood Practices講座です。品質関係のGood PracticesのためにGQP・GMP・GDPそしてPQSを学びたい方のための講座です。本講座、真剣に読んで頂くと、そのうちなんとなく役に立ったといった不思議な効果をもたらすかも(?)しれません。今回は、2018年12月28日付の厚生労働省医薬・生活衛生局総務課と監視指導・麻薬対策課の合同事務連絡として発出された「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン(日本版GDPガイドライン)」の“トリセツ(取扱説明書)”の第4回目です。

なお、文中には一部不適切な表現もありますが、分かり易さ並びに現実的な雰囲気を優先して表現しているということでご理解ください。
 
---------------------------- JD教授の授業開始でーす!----------------------------
 
教授:はーい、みんな元気? 今回も前回の続きで、日本版GDPガイドラインのトリセツよ。今回は第4章からスタートよ。ちゃんと聞いて勉強してね。じゃ、はじめるねー。
 
第4章  文書化
教授:この章は「文書とすること(documentation)」に関係する部分よ。文書化って、SOPを作るだけの話じゃなくて、「記録化(recording)」や「報告化(reporting)」も入るからね。君らも作業するなら絶対に必要になるわよ。
学生:はーい。

4.1 原則
教授:文書化の主たる目的は、「齟齬の回避」だからね。手違い防止と後日の証跡(自己証明でもある)よ。だから、滅茶苦茶大事なのよ。分かったー!?
学生:はーい
教授:うーん、いいお返事よー。

4.2 一般
教授:文書の定義と必要事項について、全部で9項目を挙げてるわ。以下、要点を示すね。
①   文書の定義(紙 or 電子媒体に関わらず全ての手順書・指図書・契約書・
  記録・データのことで、必要な時に利用可能な状態であること)
②   個人に関わる情報は、個人情報保護法が適用
③   文書には、業務範囲を十分に包括し、的確かつ理解しやすく記載
④   必要に応じて責任者が承認し、署名及び日付を記入
⑤   変更の場合の必要事項(署名・日付を記入、元の情報を残す、変更理由
  を記録)
⑥   文書の保管(「4.2.6 国の規制に定められた期間保管すること。」って
  書いてあるけど、GDP自体の法的保管期間を設定してあげないと、
  直接的に薬機法下の管轄にはない業種・業態はどうしたらいいのかな?
  受託業者は委託者との契約や取決めとして、GQPなんかに記載の保管
  年数に沿った期間ってことになるのかな!? でも、こういうやり方っ
  て、一歩間違うと、受託業者は委託者の自己担保+α分を含めた言い分
  に従い長期間に亘って基本契約料の中で文書保管を強いられることに
  なっちゃう可能性があるのよね。ちょっと不親切に感じるわ。そうか
  と言って、PIC/S GDP記載の「少なくとも5年間」というのも根拠ない
  しさ。これは削除して正解かな!?)
⑦   必要な文書の閲覧
⑧   手順書に関する事項(有効かつ承認済み、明白な内容で表題・性質・
  目的を明示、定期的レビュー、旧版との適切な差し替えによる最新版
  管理)
⑨   購入・販売・譲渡・授与等に関する記録とその保管(コンピュータ使用
  も可。⑥との抱き合わせかな。記録に残す情報を8点挙げているけど、
  それについてはガイドラインを見てね。Data Integrityにも通じる内容
  だけどね。)
学生:結構面倒っすね。
教授:そんなことないよー。フツーじゃん。
学生:そーすかー。
教授:こんなことも出来ないようじゃ、GDPのみならず、全てのGood Practiceが無理になっちゃうよ。

第5章  業務の実施(オペレーション)
教授:輸送については、「第9章 輸送(TRANSPORTATION)」があるので、それを除いた「荷受・保管・配送(ピッキングを含む)」に関する章よ。製造に比べれば作業はシンプルよ。ただ、だからと言って何も考えずにワンパターンでやっていいってことじゃないからね。そこんとこ宜しくね。
学生:はーい。

5.1 原則
教授:以下がポイントかな。
①   仕入・保管・供給業務を外装に表示された情報(取扱い上の注意等)に
  従い実施
②   偽造医薬品の正規流通経路への混入の危険性を排除
③   主要な作業は品質システムにおける適切な文書に記載
学生:はい、はい、心します。
教授:「はい」は1回でいい!

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