知的創造性を革新する組織と空間実現のメソッドプログラミング【第7回】


上位のプログラミングの目的
上位のプログラミングの項目にある、目標、組織などはこれまでにプログラミングの課題として取り上げられたことはありません。主にクライアント側から提示されることしてきたからです。しかし、目的実現のためには、すべての課題を抽出し解決しなければなりません。
初めの事業目標はこれまでは、クライアントのマネジメント側の専権の決定事項で、下流の施設プログラミングの検討項目に入っていません。
目標の決定はクライアント単独で行う場合もあり、経営のシンクタンクのアドバイスを貰う場合、或いは企画書を作成させる場合もあります。これは真剣な検討の結果です。従って、そこに立ち入るには、相当の意義がなければなりません。
目標の決定するためには、実現に至る全体構造の概略を理解していなければ、目標の最終決定はできません。
目標設定時に必要な情報は、シンクタンクもプログラミングの当事者も同じ情報環境です。しかし、目標を評価し最終決定をするためには、実現に至るプロセスの全体を理解する必要があります。目標決定の協力者として、上位、下位のプログラミングの当事者が最適任であることは理解されると思います。無論これは信頼の上に成り立つのですが、そもそも、信頼がなければプログラミングも成り立ちません。
 
組織について、組織文化の重要性は先に述べた通りで、組織構造の進化によって、組織文化の醸成は段階的に達成されるのです。これまでに目標の評価、組織文化の醸成、組織構造の進化等の上位のプログラミングは行われたことがありません。
目的の実現に必要なことは行うという、クライアント側の決断を必要とします。
上位の項目の革新なくして、下位項目の革新はなく、上位の組織構造、組織文化の革新なくして、下位の施設も含めた、研究開発全体の革新はなく、そのために上位のプログラミングは行わなければなりません。
 
上位のプログラミング
上位のプログラミングは、クライアントの研究開発の目標を評価することから始ますが、研究開発の目標設定はクライアントの専権事項で、多くの時間と人材を投入し作成しています。その中身には秘密事項が多く、第三者が評価に入ることに大きな抵抗があります。しかし、クライアント自身による目標設定は因果関係のない希望的な予測になりがちで、不都合な現実を無視する傾向にあります。第三者は目標とは「いかにあるべきか」を規範として評価を行う、客観的な視点を維持することが重要です。


第三者の客観的評価によってより成功率の高い目標に進化します。目標実現のためのプログラミングは現実の状況から因果関係で目標の実現へのプロセスを創り上げ、その間に隠れている課題を発見することです。最終的にはその課題を解決することで目標の実現が達成します。しかし目標のすべてが実現するわけではありません。研究開発目標の実現できる部分とできない部分を忌憚なく指摘することで目標の実現性が高くなります。それが評価を行う目的です。
次に組織構造と組織文化のプログラミングです。クライアントの多くの組織構造は固定的な階層構造になっています。この構造では創造性の革新は不可能です。
何故ならば、知的創造のエネルギーである情報交換が小さく、組織の創造が個人の創造を超えられないと考えるからであります。
組織全体が創造性を発揮する組織構造と組織文化を創るプログラミングが必要です。組織固有の文化の状況よって、組織の変革の課題は変わりますが、全く、革新的な組織はこれまでに見たことはありません。組織の根底にある構成員の心理が最大の課題です。組織の目標を実現しようとする、強い意志を共有していることで、互いに、信頼できる人間関係の構築が組織文化の革新の条件です。
 
上位のプログラミングは、組織文化と組織構造を革新するために、現在の組織文化、組織構造と目指すべき組織文化、組織構造の間にある課題を探し出し、その解決策として先に紹介したフィードバックループの導入等を検討します。
文化とは、人の感性の規範であり、情動原理である。知性だけでは何も起こりません感性が情動に変化し現状に変革を齎します。人間関係は感性が主で知性は従です。
組織は組織文化で動き、知性がその動きを制御できれば、良い成果となります。

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