医療機器関連業界への招待【第5回】

●要旨
 第5回は、これまでの内容をビジネスとしてまとめながら、実際に参入するための心構えについて取り扱います。リソースでもある「宝物」の活用をもとに、強みを持って参入することがコツです。イノベーションを支え、エコマネジメントに参画していきましょう。地道な活動からプロモーションを進めていくこともビジネスでは重要です。社会の変化が激しいこれからの日々に、異業種からの参入に心から期待しています。

●はじめに 宝物を知っていますか
 医療機器関連産業への参入において、薬機法が難しいので、勉強すれば、参入できるとよく言われていました。しかし、薬機法の審査において、ビジネスの審査はありません。私は、長い間、行政、開発や支援に携わっている中で、ビジネスが大事であると感じています。医療現場に継続的に届くためには、何らかの形でビジネスが成り立つ必要があります。最近では、医療機関においても「経営の視点」が大事にされています。ですから、単に製品の実現だけでは不十分で、ビジネスの要素、そして、育てることを考えなければなりません。
 その時に、とても大事なのは、あなたが何を持っているか、です。それが「宝物」の意味です。この気づきは、参入を自分のことにする大事なプロセスです。


1 イノベーション
 さて、どんな人もイノベーションを起こせるでしょうか?そのようであれば、参入よりも魅力的に見えるでしょう。現実はそうではありません。新規の高度な技術がイノベーションに結びつくとは限らず、既存技術の使い方の変更によるイノベーションもあります。医療の現場に、たくさんの想いやニーズがありますが、それに応えるのはイノベーションとは限らず、少しの思いやりによることも多いです。
 よく観察していると、イノベーションを支えることには、多くの人が関わっています。これまでの連載でお伝えした通り、医療関連産業には、様々な立場があります。いかに活動して貢献するかを考える際に、あなたの「宝物」を十分に活用することが肝心だと考えています。「宝物」を何かと新しく組み合わせる、別の使い方を考える、そこに、イノベーションのタネがあると思います。「宝物」を活用することで、あなたや社会のリソースマネジメントの負担を減らし、人々の願いやイノベーションに1歩でも寄り添うことが叶います。


<図1 「宝物」を活用する>
 

2 「宝物」を活用したエコマネジメント 
 「宝物」は、モノの形をしているとは限りません。経験してきたことやネットワークもとても大事です。「宝物」は、エコマネジメントとつながる考えです。今まで他の業界で取り組んでこられたことを、医療の世界に活かしていくことは、エコマネジメントと言えるでしょう。
 イノベーションの事例をたくさん観察していると、環境や経験が鍵であったことが少なくありません。医療の世界は、長らく特殊な世界でしたが、他の業界の技術を投じることで、より効率的な製品実現が行われ、リーズナブルな医療製品によって、必要な人に医療が届く仕組みにつながり、保健衛生の向上が実現することが期待できるでしょう。それは、日本だけにとどまりません。
 本連載の一つ一つを大切にすれば、医療関連産業への参入は、遠いことではないと感じるでしょう。「宝物」をしっかり見つめる、他者、あるいは、医療関連産業の有識者から、「宝物を見つける」助言をいただく、その活動が大事です。

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