2017.12.15.FRI

その他レギュレーション関連

医療分野でのベトナム進出に関する法規制及び新薬事法細則のポイント【第1回】

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執筆者:石川 賢吾

医療分野でのベトナム進出に関する法規制及び新薬事法細則のポイント

【第1回】医療分野でのベトナム進出に関する法規制

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はじめに
 ベトナムは、2016年時点で約9270万人とASAEN諸国の中でもインドネシア及びフィリピンに次ぐ人口規模を有しており、単なる製造拠点としてだけではなく、昨今、国内マーケットをターゲットとした小売業、サービス業といった分野での外資による進出も増えています。また、堅調な経済成長に伴う中間所得層、富裕層の拡大により、ベトナム国内でも高品質な医療サービスを求める声が高まっています。
 このような状況をふまえて、日系医療法人によるベトナムの現地医療機関との技術協力契約の締結といった事例も出てきており、将来のベトナムでの医療機関開設に向けて検討を開始している医療法人も多いのではないかと思います。そこで、本連載の前半では、医療分野でのベトナム進出において留意すべき法規制について検討いたします。
 また、2017年1月1日よりLaw 105/2016/QH13(新薬事法)が施行されていますが1)、当該新薬事法に基づく細則であるDecree 54/2017/ND-CP(新薬事法細則)が2017年7月1日から施行されました。本連載の後半では、新薬事法細則の施行によるベトナム国内の医薬品事業への影響など、そのポイントを解説いたします。
 
1 医療分野でのベトナム進出に関する重要法令
 医療分野でのベトナム進出にあたって、特に留意すべき法令は以下のとおりです。
・Law 40/2009/QH12(診断治療法)
 ・Decree 109/2016/ND-CP(医療従事証明・医療機関運営許可に関する政令)
 ・Circular 41/2011/TT-BYT(医療従事証明・医療機関運営許可に関する通達)
 診断治療法は、医療機関の開設、医療行為の提供といった事項に関する基本的な法律であり、患者、医療従事者及び医療機関の権利義務、医療従事者のライセンス、医療機関の開設許可、医療過誤事件における紛争解決手続といった様々な事項を規定しています。
 医療従事証明・医療機関運営許可に関する政令(本政令)及び通達(本通達)は、それぞれ診断治療法に基づきベトナム政府及び同保健省により制定されたものであり、診断治療法が規定する事項の中から、特に医療従事者のライセンス及び医療機関の開設許可について定めた細則です。医療分野でのベトナム進出を検討するにあたっては、本政令及び本通達の内容を確認し、医療従事者のライセンス及び医療機関の開設許可に関する要件、取得手続等を確認していく必要があります2)
 

1) 新薬事法の内容については、「ベトナム医薬品・医療機器分野への進出に関する法規制」
   http://www.gmp-platform.com/topics_detail1/id=3799 も併せてご参照ください。

2) 本通達は2011年、本政令は2016年に制定されており、本政令と本通達はほぼ同一の事項を
  カバーしていることから、実務的には、より新しい本政令の内容を詳細に確認していくものと思われます。


 上記の他に、ベトナムの国内法令ではありませんが、医療分野でのベトナム進出に関する外資規制を確認するために、いわゆるWTOコミットメントの内容を確認する必要があります。外資規制やWTOコミットメントの詳細については、次ページに記載のとおりです。

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石川 賢吾

石川 賢吾

弁護士(東京丸の内法律事務所)。2007年一橋大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録(第二東京弁護士会)。2015年米国ジョージタウン大学ロースクール卒業。同年ニューヨーク州司法試験合格。2015年~2016年ZICO Law法律事務所ホーチミンオフィスに勤務し、日系企業のベトナム進出案件に従事。2016年9月より東京丸の内法律事務所に復帰。