2017.06.19.MON

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ラボにおけるERESとCSV【第30回】

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執筆者:望月 清

ラボにおけるERESとCSV【第29回】

ラボにおけるERESとCSV

第30回 データインテグリティの是正(2) ウォーニングレターにおける常とう句

4.現時点におけるリスク評価(B)
■原文
B. A current risk assessment of the potential effects of the observed failures on the quality of your drugs. Your assessment should include analyses of the risks to patients caused by the release of drugs affected by a lapse of data integrity, and risks posed by ongoing operations.
 
■要約
B. 現時点におけるリスク評価
指摘されたデータインテグリティ不適合が、医薬品品質にどのように影響するか現時点におけるリスクを評価すること。
・リスク評価には、以下の分析を含めること
・データインテグリティ欠如の影響を受けた医薬品が出荷されたことにより、
 患者にどのようなリスクが及ぶかの分析

■解説
B. 現時点におけるリスク評価
A-3およびA-4において、どのようなデータインテグリティ不適がどの部分でどの期間発生していたかが把握される。そのようなデータインテグリティ不適合の環境下で出荷された医薬品が、患者に対しどのようなリスクを及ぼすか分析する。その分析結果を基に、後述する「C-3 暫定処置」を実施する。必要に応じ、参考品により確認試験を行いリスクを評価する。
 

5.経営戦略 (C)
■原文
C. A management strategy for your firm that includes the details of your global corrective action and preventive action plan. Your strategy should include:
C-1 A detailed corrective action plan that describes how you intend to ensure the reliability and completeness of all of the data you generate, including analytical data, manufacturing records, and all data submitted to FDA
C-2 A comprehensive description of the root causes of your data integrity lapses, including evidence that the scope and depth of the current action plan is commensurate with the findings of the investigation and risk assessment. Indicate whether individuals responsible for data integrity lapses remain able to influence CGMP-related or drug application data at your firm.
C-3 Interim measures describing the actions you have taken or will take to protect patients and to ensure the quality of your drugs, such as notifying your customers, recalling product, conducting additional testing, adding lots to your stability programs to assure stability, drug application actions, and enhanced complaint monitoring.
C-4 Long-term measures describing any remediation efforts and enhancements to procedures, processes, methods, controls, systems, management oversight, and human resources (e.g., training, staffing improvements) designed to ensure the integrity of your company’s data.
C-5 A status report for any of the above activities already underway or completed.

■要約
C. 経営戦略
・全社レベルの是正予防措置(CAPA)計画の詳細を含むこと
・以下の項目を含むこと
C-1 詳細な是正処置計画
・データの信頼性と完全性をどのように確保するのか説明すること
・分析データ、製造記録、およびFDAに提出する全てのデータが対象となる
C-2 根本原因の説明
・データインテグリティ欠如の根本原因をくまなく説明すること
・説明には以下の証拠を含めること
・現在の行動計画の範囲と深さが、調査とリスク評価における結果に
 相応していることの証拠
・データインテグリティ欠如に責任がある個人が、CGMP関係もしくは
 医薬品申請データに依然影響していないかどうか示すこと
C-3 暫定処置
・患者の保護とクスリの品質保証のために実施した、もしくは実施しようと
 している行動を暫定処置として記載すること。例えば
▫顧客への通知
▫製品回収
▫追加テストの実施
▫安定性確証のために、安定性試験へのロット追加
▫医薬品申請処理
▫苦情処理の強化
C-4 長期方策
・貴社のデータインテグリティを確実にするための長期方策を説明すること
・長期方策には以下に対する是正方法や強化について記載すること
▫手順
▫工程
▫方法
▫管理
▫仕組み(システム)
▫経営による監視
▫人的資源(教育、人員配置の改善)
C-5  状況報告
・実施中もしくは完了した上記の活動について報告すること

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望月 清

望月 清

合同会社エクスプロ・アソシエイツ代表。
1973年山武ハネウエル株式会社(現アズビル)入社。分散型制御システム(DCS)を米国ハネウエル社と分担開発。2002年よりPart 11およびコンピュータ化システムバリデーションのコンサルテーションを大手製薬会社にご提供。2009年より微生物迅速測定装置の啓蒙普及に従事。2014年5月より現職。