2015.02.16.MON

品質システム(PQS)

リスクマネジメントの導入でリスクは下がるか?

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執筆者:寶田 哲仁

リスクマネジメントの導入でリスクは下がるか?

ご承知のように、PIC/S対応も視野に、平成25年いわゆるGMP施行通知が改正され、そこにはGMP全般に係る概念として品質リスクマネジメント(QRM)の原則を適用することとなりました。私自身品質保証の仕事をして長いのですが、品質保証の仕事をして2~3年頃(平成3年頃)か、苦情や逸脱等の品質面の問題を事前に予知する方法はないかと当時の上司と議論した機会がありました。Q9専門家作業部会に参加し、かなり古くからこのようなリスクマネジメント(RM)の概念が広く他の分野で用いられていたことを認識し、自らの不勉強を改めて感じたところです(以前から単語等は聞いたことはあるのですが)。もっとも、当時、そのような知識があっても活かすほどの力はなかったとは思いますが...。いわば、Q9のみならず、Q8のデザインスペースやRSMにしても、Q10のManagement responsibilityにしても、既に他の分野で久しく活用されてきたものがもとになっており、それに専門家作業部会のオリジナリティを加えてガイドラインにしているわけで、Q-IWGのQ&Aにも一部触れられていますが、決して新しい概念ではないわけです。ポイントは、それまで他の工業分野等で用いられた概念が医薬品の開発、製造管理/品質管理に導入されたということで、やはりこれは歴史的なことだと見るべきでしょう。それゆえ、FMEAにしても、医薬品の製造プロセスにIEC 60812に定めるようなFailure modeは適用しがたく、一般に利用できるような製造プロセスにおけるモードとは何かということを議論していく必要も感じられます。このように、医薬品へのRM適用は始まったばかりで、医薬品向けにフィットさせるのに相当の時間を要すると思われます。

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寶田 哲仁

寶田 哲仁

持田製薬株式会社 品質保証室 専任副部長
1983年入社、2005年持田製薬工場株式会社本社工場医薬品製造管理者、2009年品質保証室、現在に至る。日本製薬工業協会品質委員会委員、ISPE日本本部特命理事。ICH Q9製薬協副リーダー、Q10製薬協専門委員、Q-IWG製薬協副リーダー、Q7-IWG 製薬協リーダー。